はじめに

自分の死後、財産の行き先を決めておくには、遺言を書くことが有効な手段です。子供がおらず配偶者に全ての財産を譲りたい方、配偶者・子供がおらず、多数の兄弟姉妹が相続人になる方、相続人どうしが不仲である方、相続人の中に行方不明の方がいる方、相続人以外の方に遺産を譲りたい方など遺言を残しておかないと死後の相続手続きがスムーズにいかないことが想定される方は特に遺言の作成をおすすめします。

円満かつ円滑な相続のためにも遺言者作成をご検討ください。

遺言書の種類

遺言書の主な作成方法は次の4つです。

この遺言は、遺言の全文・日付・氏名を自分で手書きして、印鑑を押印する遺言です。印鑑は実印である必要はありません。代筆やパソコンでの作成はできません。なお、財産目録は、パソコンでの作成が認められています。たくさんの土地建物や預貯金をお持ちの方は財産目録を作成すると便利です。

メリットは?

・費用がかからない。

・書き直しが容易

・遺言内容を秘密にできる

デメリットは?

・遺言書の要件を満たしていないと無効となる。

・紛失や遺言書の存在自体を忘れるおそれがある。

・改ざん、破棄、隠匿のおそれがある。

・遺言者の死亡後、家庭裁判所に遺言書を提出して、検認の手続が必要となる。

この遺言は、遺言者本人が公証人と証人2人の前で、遺言の内容を述べ、公証人が内容の真意を確認した上、遺言の内容を文章にします。この文章を遺言者及び証人2人に読み聞かせ、または閲覧させて、内容に間違いがないか確認してもらい、遺言公正証書を作成します。

メリットは?

・遺言書が無効になる可能性が低い。

・改ざん、破棄、隠匿のおそれがない。

・家庭裁判所での検認手続が不要。

デメリットは?

・証人2人が必要。

・費用と手間がかかる。

この遺言は、自分で作成した遺言書に遺言者が署名押印し、任意の封筒に入れ、遺言書に押印した印鑑と同じ印鑑で封印をした上、公証人と証人2人の前にその封書を提出し、自己の遺言書であること、遺言者の氏名及び住所を申し述べ、公証人が、その封紙上に日付及び遺言者の申述を記載した後、遺言者と証人2人とともにその封紙に署名押印をすることにより作成する遺言です。この遺言は、自筆である必要がないため、パソコンや代筆での作成も可能です。

メリットは?

・改ざん、破棄、隠匿のおそれがない。

・作成が容易。(ただし、署名は遺言者の自筆で行う必要があります。)

デメリットは?

遺言書の要件を満たしていないと無効となる。

・証人2人が必要

・費用と手間がかかる。

・紛失するおそれがある。(保管はご自身で行います。)

・遺言者の死亡後、家庭裁判所に遺言書を提出して、検認の手続が必要となる。

この制度は、自身で作成した遺言書を法務局に保管してもらう制度です。紛失や消失、改ざんや隠匿の恐れがなく、遺言者の死後に法務局が相続人に対し、遺言書の保管を通知します。 

メリットは?

改ざん、破棄、隠匿のおそれがない。

・無効な遺言になりにくい。(ただし、遺言書の有効性を保証しません。)

・紛失のおそれはない。

・遺言者が亡くなったとき、あらかじめ指定された方へ遺言書が保管されていることを通知してくれる。

・家庭裁判所での検認手続が不要。

デメリットは?

・法務局への申請手続が必要。

・遺言書の様式にある程度のきまりがある。

・手間がかかる。


当事務所でできること

まず、どの遺言書を選ぶべきか、それぞれお話しを伺ってからご提案致します。

自筆証書遺言の作り方のアドバイスや、法務局保管制度についての説明も行います。

公正証書遺言については、必要書類の取り寄せや、公証人との打合せなど、必要な手続をサポート致します。手続きにかかる費用は、お電話やメールでもお答え致します。


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